鍬1本で家族の為に働いてきた人がいる
口数少なく、無愛想だと言われながらも、黙って鍬1本握り、ひたすら土を耕し続けてきた。
その人はどんなに歳を重ねても、鍬を握り続ける。
「自分には仕事がある」と、強い意思を持ち、今日も鍬を担ぎ、出掛けていく。
シワだらけの手。
歩幅の狭くなってきた足。
聴こえにくくなった耳。
それでも、背筋をシャンと伸ばし、前だけを見て進んで行く。
家族に食べてもらいたくて
家族に喜んで欲しくて
自分に出来ることをやり続ける。
土を耕し、種を撒き、野菜を作る。
お金の為でも、自分の為でもなく、人の為に働く。
喜ぶ顔が見たいから。
そして、その思いはその人に生きる力を与える。