こどもの頃、春になると必ずおばあちゃんが作ってくれたフキ味噌。
口に入れると、甘い味噌の中にほろ苦いフキのとうの味がする。
おばあちゃんはオーブントースターでフキ味噌をこんがり焼いた。
とても良い香りが漂っていた。
今年も出てきたよ。
土の中から這い出てきたよ。
ぎゅーっと閉じていた蕾が少しずつ、少しずつ開き始め、白い花をのぞかせる。
春が来たね。
不思議だね。
見様見真似で覚えたフキ味噌の作り方。
教わったわけではないのに作り方を覚えてる。この季節になると必ず食べたくなる、おばあちゃんの味。
ばあちゃん、ばあちゃんの作る料理、また食べたいよ。せりご飯も美味しかったな。苦手だったウドの酢味噌がけも、大人になると不思議と食べたくなる。
どんな贅沢なご馳走よりも、ばあちゃんの作る一品一品が、私の記憶には強く刻まれている。
私も家族に作るよ。ばあちゃんが教えてくれた春の味を、、、。
