今日のような寒い日に思い出す、子供の頃の思い出がある。
私が小学生の頃、母は仕事に出ていた。
私は祖父母と過ごす時間が多く、母が仕事を終えて帰宅するまで、祖父母の住む母屋でおやつを食べ、宿題をし、母の帰宅を待っていた。
週に何度か、学校から帰ると、離れの茶の間の電気が点いている日があった。
こんな日は、門から小走りで離れに向かう。
嬉しかった。
離れの電気が灯る日は
お母さんが待っていてくれる日。
甘い温かな紅茶とお菓子を用意して
お母さんが待っていてくれたから。
「おかえり」と笑って出迎えてくれたから。
そして、私の話をいつも聞いてくれた。
あの、温かい記憶が今でも残っている。
大人になり、母になった今、
私も明るく家の電気を灯し、家族を待つ。
「おかえり」と笑って出迎えて。
お母さんが待っていてくれた、あの温かい家のように。
みんなが帰りたいと思う、温かい家になるように。